情報処理技術者試験は企業システムなどの開発者を想定しており文科系の受験者も多いです。
しかし、この区分のみは組込みシステムの開発者を想定しているため、受験者は工学系の者(特に電気電子やメカトロニクスに関する教育を受けた者)が多いと推定されます。
それを実証するかのように情報処理試験の中では受験生の数が最も少ない区分です。
さらに受験者の大学院卒業者の率が平成19年春期にて24.6%[1]と他の情報処理試験と比較しても格段に高いです。
高度になればなるほど文系が有利だと囁かれる情報処理技術者試験の中で異色の存在です。
その一方、試験内容が実態に合っていないという批判も多いです。
知識だけを問う午前試験に関しては「知識の整理に有効」と評価する人もいます、明らかにエンベデッドと関係のない出題も多です。
午後I試験は非常に悪評が高いです。
問題の内容は、あるシステムの説明を読んで、設問に答えるというものです。
その説明は意図的に分かり難くしており、分かり難くした説明から出題者の出題意図を推測するだけの問題になっています。
実際の現場では、分かり難い仕様書は仕様書を書いた担当者と話し合うのが普通であり、実務の何を想定しているのか意味不明です。
さらに経験豊富な技術者ほど多くの実現方法を思いつくのでかえって混乱しやすいが、問題文の出来が悪くて出題者の意図を絞り込むのが難しいという意見もあります。
しかも解答時間が無意味に少なく「問題文の速読試験にしかなっていない」と揶揄する声も多いです。
午後II試験も午後I試験と似たような内容であり、問題文が午後Iよりも長く時間も十分にあるという点が異なるだけです。
以上のことから、この試験の有効性を疑問視する人もいます。
誰でも受験できる資格です。システムエンジニアの中でも主にエンベデッドシステムの設計開発担当者を対象としています。
午前試験は多肢選択式、午後試験は記述式と論述式(事例解析)に分かれています。
午前
マークシート式の四肢択一で55問出題され、100分で全問解答します。
IRT(項目応答理論)によって、最低200点〜最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午前試験通過)です。
エンベデッドシステムの試験にも関わらず、エンベデッドシステム専用の問題は55問中20数問しか出題されません。
それ以外は他の情報処理試験と共通の内容が出題されるため、エンベデッドシステムの経験者でも試験対策が必要です。
午後I
エンベデッドシステムの設計に関する問題(大問)が4題出題されます。
それぞれの大問は、主題の設定となる文章と、それに対するいくつかの小問からなります。
そのうち2題が必須、残りの2題のうち1題を選択し、90分で解答します。
素点採点で、最低200点〜最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で合格(午後I試験通過)です。
ただし、午前試験が600点に満たなかった者は採点されません。
必須の2問はそれぞれソフトウェア設計とハードウェア設計の内容になっている。選択の2問もそれぞれソフトウェア設計とハードウェア設計の内容で、得意な方を選択すればよいでしょう。
午後II
エンベデッドシステム製品の設計開発に関する問題(大問)が2題出題されます。
1題を選択して120分で解答します。
素点採点で、最低200点〜最高800点の5点刻みで採点され、600点以上で最終的に合格です。
ただし、午後I試験が600点に満たなかった者は採点されません。
実際の製品を要約した問題が出ることが多ですので、午後Iと同様で、ソフトウェア設計中心の問題と、ハードウェア設計中心の問題が1題ずつ出題されるので、得意な方を選択すればよいでしょう。
1月中旬から約一ヶ月間
資格申し込み方法
インターネット利用による方法と郵便局利用による方法があります。
4月の第3日曜日
全国の主要都市で資格試験が行われます。
5,100円(税込)